■設立の主旨

 従来、情報セキュリティでは、技術的な対応を行うことで安全・安心な環境を利用者に提供できるとの考えから、主に工学的観点から研究が行われてきた。しかしながら、攻撃者の中には、ソーシャルエンジニアリングと呼ぶ、被害者の心理的な面の弱さを利用して侵入を図る者もいた。本研究会では、利用者や不正行為者を心理学やヒューマンファクタ、安全工学等について研究対象とする。

 欧米では、内部犯行者を個人や組織の特質を考えてシステムダイナミックス的な分析をカーネギーメロン大学の Software Engineering InstituteでInsider Cyber Crimeとして研究を行っている。 また、ケンブリッジ大学のRoss Anderson教授やインディアナ大学Jean Camp等により、Security Psychologyの研究分野が確立されている。 一方、わが国では、今井秀樹元東京大学教授(現中央大学教授)により、同様の分野をヒューマンクリプトと名付けた。 本研究会が設立されれば、 わが国で初の当該分野に関する学術集団となる。

 さらに、日本では安心と呼んでいる概念に似た概念を、欧米ではTrust(トラスト)と呼び、学際的な分野で研究が進められてきた。 トラストは情報セキュリティとも関連し、さらに昨今、Dependability(高信頼性)とも似た概念である。本研究会では、このトラストについての分野も網羅する。

 2010年6月にトラストに関する国際会議IFIP TP2010が国内で開催され、2011年7月には論文誌特集号“Trust Management”が発行される予定であり、本研究会の立ち上げもそれと連動することとなる。

 本研究会の網羅する分野は、情報処理に関る分野以外の研究者にも興味ある内容となる事が予想され、新たな会員獲得にも繋がる可能性がある。

 今回の設立に関し、セキュリティやヒューマンインタフェース、分散と協調など幅広い分野からの発起人にお集まりいただいた。今後、学際的な研究者の情報交換の場として有用な存在となることが予想される。

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■SPT研究会の運営

【 平成28年度/2016年度 】
主査松浦幹太(東京大学)
幹事金岡晃(東邦大学) 角尾幸保(日本電気(株)) 村山優子(津田塾大学) 山口高康((株)NTTドコモ)
運営委員猪俣敦夫(東京電機大学) 浦川順平((株)KDDI研究所) 遠藤直樹(東芝ソリューション(株)) 小川隆一((独)情報処理推進機構) 大坐畠智(電気通信大学) 小松文子(長崎県立大学) 五味秀仁(ヤフー(株)) 齊藤義仰(岩手県立大学) 斯波万恵((株)東芝) 島岡政基(セコムIS研究所) 高橋克巳(日本電信電話(株)) 西垣正勝(静岡大学) 廣田啓一(日本電信電話(株)) 毛利公一(立命館大学) 八槙博史(東京電機大学)
専門委員上原哲太郎(立命館大学) 島成佳(日本電気(株)) 白石善明(神戸大学) 高田哲司(電気通信大学) 田中健次(電気通信大学) 田中俊昭((株)KDDI研究所) 長谷川まどか(宇都宮大学大学院) 山本太郎(日本電信電話(株)) 吉浦裕(電気通信大学) 吉野太郎(関西学院大学)

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Last modified: 2017/04/09 12:27:15