医療データは、病気の原因を解き明かし、多くの人の命を救う研究の宝の山です。しかし患者のプライバシーを守るため、その利用には厳しい制限がかかっています。そこで近年、本物そっくりの人工データ(合成データ)が注目されています。PWS Cup 2026 は、研究に使えるほどリアルで、しかもプライバシーも侵害しない――そんな有用で安全な合成データをつくる技術を、チーム戦で競います。
題材は、人々の健康診断を10年にわたって追跡し、糖尿病を発病したかどうかを観測した記録(コホートデータ)です。発病する人の多くは2型糖尿病ですが、そこに1型糖尿病やMODYといったごく少数の珍しいタイプ(外れ値)が混じっています。今年最大の挑戦は、この珍しいタイプの人たちの病気の現れ方(いつ・どのように発病するか)を保ったまま、その人たちのプライバシーも守ること。数が少ない人ほど、忠実に再現するほど誰なのか特定されやすく、逆に守ろうとして削ったり曖昧にしたりすると、貴重な情報が失われて研究の役に立たなくなります。この難しいジレンマの限界に参加者たちが挑みます。
参加チームは合成データをつくるスタートアップ企業になりきり、「防御」と「攻撃」を行います。自社クライアントのデータから安全で有用な合成データをつくって研究者に販売する一方、ライバル企業の合成データの弱点を見つけて攻め込み、相手の顧客に告げ口して評判を落とします。守りと攻め、その両方を知り尽くしたチームだけが、本当に安全で役に立つデータを生み出せるのです。
コンテストは、防御 → 攻撃 → 採点の流れで進みます。
これらを順に実施した後、出題者が各チームの結果を2つの軸で評価します。
コンテスト期間中に、この一連の流れを2回実施します。1回目を予備戦、2回目を本戦と呼び、両者の評価結果を総合して勝者を決定します。
各チームは原則5名を上限とします。ただし、学生主体のチームに限り、上限の5名に加えて次の2つの役割を置くことができます。
指導者・責任者は、競技そのものへの直接的な貢献は望ましくありません。
コンテストの中核ループ(防御 → 攻撃 → 採点)を、トイデータで end-to-end に動かせる最小構成のモックを公開しています。
ご注意: このモックはあくまで試作物です。コンテスト本番のデータ・ルール・採点と何から何まで同一というわけではなく、今後変更が入る可能性があります。全体像と雰囲気をつかむためのものとしてご利用ください。
情報処理学会 コンピュータセキュリティ研究会 PWS組織委員会 PWS Cup 2026 WG (コンピュータセキュリティシンポジウム2026に併催)
スケジュールは予告なく変更することがあります。あらかじめご了承ください。 本ページに記載の日時は特に断りのない限り日本標準時(JST)です。
| 日付 | イベント | 備考 |
|---|---|---|
| 2026/07/30(木) 18:15 ~ | PWS Cup 2026 説明会 | オンライン開催 |
| 2026/08/13(水) ~(予定) | 予備戦 | 開始日は仮決定です。 |
| 調整中 | 本戦 | |
| CSS2026 会期中(10月19日(月) ~ 23日(金)いずれか) | 発表・表彰式 | コンピュータセキュリティシンポジウム2026(アクトシティ浜松)。日程調整中。 |
PWS組織委員会 PWS Cup 2026 事務局