
副題:地域と大学とのキャッチボールを通じて
講演者:
不破 泰 (信州大学総合情報センター長)
座長:吉岡 克成(横浜国立大学)
講演概要:
本講演では,著者がこれまで開発してきたセンサネットワークシステムを紹介し,そのなかで考慮してきたセキュリティについても述べます.
著者は,大規模な災害が発生しても動作を続ける高い耐障害性を持つセンサネットワークのための中継網を開発し,
その成果を活用して,600台以上の中継機からなる中継網を長野県塩尻市に構築して運用してきました.
また,この中継網をテストベッドとして活用し,様々なアプリケーションを開発し,塩尻市および他の地域において運用してきました.
これらの経験を基にテストベッドの構築から得られるICTの開発とその具体的成果を,テストベッドの構築と運営の方法を交えて述べます.
また,その中で直面したセキュリティに関する話題を紹介します.

講演者:
後藤 滋樹(早稲田大学基幹理工学部情報理工学科 教授)
座長:菊池 浩明(明治大学)
講演概要:
インターネットを全体としてみれば大成功である.ただしインターネットを構成する要素を丹念に見ると反省するべき事項がある.
一例としてIPv6を設計したときにIPv4との互換性を持たせなかった.IPパケットのTTLの初期値の設定はRFCの記述に忠実ではない.
本シンポジウムの文脈では,初期のARPAnetが no security considerations という状況であったのは不思議にみえるかもしれない.
昔のARPAnetにおいては利用者の匿名性が確保されていなかった.講演者は昔のARPAnetの利用者としての経験がある.幾つかのエピソードを紹介する.
そのような状態のままで1990年代にインターネットが商用化されたのが現在の姿である.現代のインターネットには匿名と実名が混在している.
匿名か実名かという選択はソーシャルネットワークにおける重要な事項である.さらにブロックチェーンにおける匿名のデジタル署名という新手が登場した.