Computer Security Symposium 2017 in Yamagata Computer Security Symposium

CSS2017論文賞 受賞者

CSS2017最優秀論文賞

2C4-4: ユーザブロック機能の光と陰: ソーシャルアカウントを特定するサイドチャネルの構成

CSS2017優秀論文賞

2A3-3: テイントフォレンジックスによるIAT再構築

2D1-4: オンラインオークションにおけるプライバシーリスクとユーザ認識の調査

2E2-2: 超高速秘密計算ソートの設計と実装: 秘密計算がスクリプト言語に並ぶ日

3A4-2: CNNと注意機構による画像化されたマルウェアの解析手法

3D1-2: 静電容量方式タッチパネルに対する敵対的な干渉の脅威

CSS2017学生論文賞

1C4-4: 実機を用いたハニーポットによる組込み機器のWebUIに対するサイバー攻撃の分析

1D4-4: プロセスの複製による可用性を考慮したライブフォレンジック手法のマルチコア対応と評価

1E3-4: Continual Auxiliary Leakageに耐性を持つ適応的安全な述語署名

1E3-5: 述語の効率的な回路への埋込によるコンパクトな検証可能擬似乱数関数

2A4-3: WindowsにおけるUse-After-Free脆弱性攻撃防止手法

2B1-2: Drive-by Download 攻撃におけるRIG Exploit Kitの解析回避手法の調査

2C2-2: JDWPによる動的解析を利用したAndroidアプリケーションの外部モジュール利用実態調査

2D3-2: 私的な連想情報の再認による個人認証と安全性評価

2F3-3: 畳み込みニューラルネットワークの秘密評価プロトコル

3D2-2: 電波再帰反射攻撃の実用性評価

CSS2017コンセプト論文賞

2D2-4: 馴化を抑制しうる新たなセキュリティ警告の探求:かわいいとその付加刺激の効果に関する評価

コンセプト論文賞講評

WebやPCで提示される警告のインターフェースについては,利用者がその警告に慣れてしまい(馴化),その効果が利用経過にしたが下がることが知られている.そういった警告インターフェースに対し,本論文では「かわいい」という要素に 着目し,馴化を抑える警告インターフェースを提案した. 柔軟な発想と独自性の高いコンセプトを持っており,長期間にわたる被験者実験など実験設定も適切になされている.被験者をより多く集めることでさらに興味深い結果になることも期待されるが,得られた結果からの深い考察を通じ,本分野の発展に向けた有益な示唆を与えている.よって,コンセプト論文賞の趣旨に相応しいと判断し,表彰する.

CSS2017奨励賞

1E4-2: LWR問題解読のためのサンプル増幅法を用いたBKWアルゴリズム

2A4-2: IoTマルウェアの持続的感染の成立要因の分析と実機による検証

2B3-4: 能動的な攻撃者に対するメモリアクセスパターン保護方式の安全性評価

2D1-1: オンラインストレージサービスに対するクライアント側暗号化と検索可能暗号のユーザビリティ評価

3A4-3: Seq2Seqモデルを用いたプロセスの悪性度推定手法

3B4-4: パラグラフベクトルへのプロキシサーバーログの丸投げ方式

3C4-2: AVT Lite: 攻撃コードのエミュレーションに基づくWeb攻撃の成否判定手法

3D1-1: ネットワーク隔離されたARM CPUベースPCからのデータ漏洩

3D3-3: 主要なLinuxディストリビューションおよびバージョンごとのメモリ破損攻撃への対策技術の適用状況の調査と考察

3E2-1: 復号鍵漏洩耐性を持つ鍵失効機能付きIDベース暗号の一般的な構成

3F4-4: 集合値データに対する個人適応型匿名化手法

論文賞概要

CSS2017では下記の論文賞を設けています.

CSS優秀論文賞・学生論文賞・コンセプト論文賞

CSS論文賞には最優秀論文賞及び優秀論文賞,学生論文賞,コンセプト論文賞があり,CSSプログラム委員会が選考します(コンセプト論文賞のみCSEC幹事団も選考に加わります).CSS論文賞は,下記に示す他の論文賞との重複受賞が可能です.詳しくは,CSS論文賞についてをご参照ください.

CSS2017SPT論文賞

CSS2017における発表論文のうち,セキュリティ心理学とトラスト分野の活性化を目的とし,同分野にとくに貢献すると認められる論文1編または数編を,SPT研究会の定める選考委員会における審議を経て,SPT研究会がCSS2017SPT論文賞として表彰します.詳しくは,SPT研究会のホームページをご参照ください.

MWS論文賞

MWS実行委員会では,MWS優秀論文賞,MWS学生論文賞,MWSベストプラクティカル研究賞を設けています.MWSトラックにおける発表論文のうち『マルウェア対策・サイバー攻撃対策に有効な方法論に新規性があるもの(新たなマルウェア対策・サイバー攻撃対策を喚起するもの.今後多数の研究の参考・根拠になり得るもの)』,『マルウェア・サイバー攻撃の現状・実態を明らかにする実験・調査』,『マルウェア対策・サイバー攻撃対策の現状・問題点を明らかにする実験・調査』の評価基準により,MWSプログラム委員会が各1件を選出します.なお,MWSベストプラクティカル研究賞については,論文としての完成度ではなく,実用性や有効性に優れた研究成果を評価するものです.詳しくは,MWS2017のホームページをご参照下さい.

PWS論文賞

PWS実行委員会では,PWS優秀論文賞,PWS学生論文賞を設けており,PWSトラックにおける発表論文のうち『プライバシー保護技術の発展』や『プライバシーリスクの正しい啓発』にとくに貢献すると認められる論文1編または数編を,PWS実行委員会の定める選考委員会における審議を経て表彰します。詳しくはPWS論文賞についてをご参照下さい.

奨励賞

論文集に掲載されたすべての論文を審査対象とし,論文賞には到らなかったが,評価者の評価が高かったもの,新規性の評価が高かったものを,今後への期待や激励の意味を込めて表彰します.詳しくは,奨励賞についてをご参照ください.

CSS論文賞について

本シンポジウムでは,コンピュータセキュリティ技術の発展や啓発に寄与する論文の著者を表彰することを目的としたCSS論文賞を設けております.CSS論文賞には,新規性,信頼性,実用性を兼ね備える優秀論文を表彰する最優秀論文賞及び優秀論文賞と,将来性のある学生を奨励する学生論文賞,および次の時代を切り開く独創的な研究を表彰するコンセプト論文賞の4つの論文賞があり,その年に開催される懇親会にて表彰しております.各論文賞の要件は次のとおりです.
CSS最優秀論文賞及びCSS優秀論文賞と学生論文賞の選考は,当該分野に関して高い専門的知識を有する査読者2名による1次評価,各トラックのプログラム委員会による2次評価,トラック横断で各賞を最終選考する3次評価の3段階からなります.