Computer Security Symposium 2021 Computer Security Symposium

基調講演

基調講演1 10月27日 13:00〜14:20

吉川 信行(横浜国立大学 先端科学高等研究院 教授)
Nobuyuki YOSHIKAWA (Yokohama National University)

超伝導集積回路技術に基づく超省エネルギーコンピューティング:現状と展望
Extremely energy-efficient computing based on superconducting integrated circuit technology: Current status and perspective

<講演概要>

ビックデータやAI処理など高性能コンピュータへの需要が高まる中で、CMOSの限界を超えるエネルギー効率の高い集積回路技術が必要とされている。超伝導体中の量子化磁束を情報担体とする超伝導集積回路は、高速性と低消費電力生においてCMOSを凌駕する性能を持ち、日米中を中心に活発な研究開発が行われている。現在、クロック周波数が50GHzを超える単一磁束量子回路や、消費電力がCMOSに比べて5桁以上優れる量子磁束パラメトロン回路などを用いたマイクロプロセッサの動作実証が行われている。本技術は、量子状態の重ね合わせを利用する超伝導量子コンピュータとのインターフェイスとしても注目されている。本講演では、超伝導集積回路技術の最近の研究動向とその展望について紹介する。

<講演者ご経歴、プロフィール>

1989年横浜国大博士課程修了後、助手、助教授を経て、現在、横浜国大先端科学高等研究院教授。超伝導エレクトロニクス、量子効果デバイス、低温デバイス、集積回路設計に関する研究に従事。現在、Applied Superconductivity Conference Board Member。学振第146超伝導エレクトロニクス委員会委員長。電気学会金属セラミックス技術委員会委員長。

基調講演2 10月28日 13:00〜14:20

後藤 厚宏(情報セキュリティ大学院大学 教授)
Atsuhiro Goto(Institute of Information Security)

大規模サイバーセキュリティリスクへの“備え”と新たなサイバーセキュリティ戦略
Preparation for large-scale cybersecurity risks and next National Cybersecurity Strategy

<講演概要>

社会生活、産業、公共サービスにおいてIoTやクラウドを広く活用する本格的デジタル時代の恩恵を享受するためには、それらのサプライチェーンセキュリティリスクへの対応に加え、サイバー攻撃を契機とする被害連鎖が実社会の関連産業に拡大する大規模リスクへの対応が求められる。今後、社会全体のデジタル基盤依存が高まる時代に向けて、どのような”備え”を急ぐ必要があるか、サイバー技術、デジタルサービス、データ流通の3つの領域について、新たなサイバーセキュリティ戦略を参照しながら検討し、今後のサイバーセキュリティ研究開発課題について考える。

<講演者ご経歴、プロフィール>

1984年東京大学大学院 情報工学 博士。NTT研究所にて並列分散処理・高信頼クラウド・ID管理等の研究開発と事業化に従事。NTT情報流通プラットフォーム研究所等の研究所長を歴任ののち、2011年7月より情報セキュリティ大学院大学教授。2017年4月より同学長。現在、サイバーセキュリティ戦略本部員、内閣府SIPプログラムディレクターを併任。